トウモロコシとアワにおける節根の伸長角度と根系分布

元データ 1991-12-05 日本作物学会

概要

トウモロコシ2品種(ゴールドデント1106, 長野1号)とアワ2品種(虎の尾, 陸羽8号)の孤立個体を対象に, 節間位別に節根(1次根)の株近傍における伸長角度と土壌中の根系の2次元的な分布を調査した. 伸長角度は節根の伸長方向が鉛直線となす角と定義した. したがって, 伸長角度が大きい(小さい)ことは節根がより水平あるいは横(垂直あるいは下)方向に伸長することを意味する. トウモロコシの2品種では, 節根出現直後の伸長角度は上位の節間から出現する節根ほど小さかった. また1本の節根の先端方向へ向かって伸長角度は減少したが, その減少程度は上位節間の節根で著しかった. これらの原因により, 節根の最終的な伸長角度は上位節間の節根ほど小さかった. 一方アワにおいては, 中位節間の節根で伸長角度が顕著に大きかった. また, いずれの1本の節根についても, 伸長角度は基部近傍で一旦増加しその後先端に向かって減少した. このように, アワとトウモロコシでは特徴が異なっていたが, ともに主として節根の由来する節根の位置によって程度の異なる傾斜重力屈性を示すことが明らかになった. トウモロコシ, アワそれぞれについて品種を比較した場合, 伸長角度がより小さいすなわち節根がより鉛直下方向に伸長するとみられる品種(ゴールドデント1106, 陸羽8号)では, 株の直下あるいは斜下方向での根長密度が高かった. 根系の分布を規定する要因として節根の伸長方向が重要であり, それを伸長角度として定量的にとらえることが有用と考えられる.

著者

松崎 昭夫 東京大学
中元 朋実 東京大学農学部附属農場
下田 和雄 東京大学農学部附属農場
松崎 昭夫 東京大学農学部附属農場

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