水稲の分げつ性に関する研究 : 第4報 分げつ性に及ぼす温度の影響
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概要
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水稲の分げつ性に及ぼす温度の影響を, 前3報の知見を基に解析した. 品種ササニシキを1/5000aワグネルポットで育て(1個体/ポット), 葉齢5.8の時から自然光下のファイトトロンで温度処理を行った. 昼(6:00-18:00)一夜を30-25℃ (H区), 24-19℃ (M区), 17-12℃ (L区)とした. 個体当り茎数の推移を, 播種後日数でみると茎数増加は高温ほど速かったが, 主茎葉齢でみると逆に低温ほど速かった. ほぼ同葉齢の時にL区(茎数20.0)とM区(茎数15.7)について, 個体を構成する分げつ位ごとの出現率を比較すると, 遅く出現した2次分げつと3次分げつで大差がみられた. 次に, 茎数増加を, 主茎と分げつとの生長速度の差を表す相対葉齢差(D)と, 分げつ構成的な面からの分げつ体系とに分けて考えた. 2次分げつのDはL>M>H区で, 3次分げつでもDはM>H区と, 低温な区ほど主茎に対する生長が速くなっていた. 続いてDの影響を除去して, 主茎及びすべての分げつで葉齢の進み方が同じになるような生長様式(同周期生長)を想定して, 茎数増加曲線を構築したところ, 3処理区の茎数増加曲線はほぼ一致した. さらに, 同周期生長を仮定した場合に, 葉齢11の時までに出現した分げつでは, その分げつ位ごとの出現率は3処理区の間でほぼ一致していた. これらのことから, 温度は, おもに主茎と分げつ, あるいは分げつ間の生長速度のバランスに影響し, 個体を構成する分げつの, 発生節位の集体としての分げつ体系への影響はわずかであると考えた.
- 1989-03-05
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