大豆における分枝の有無が^<14>C同化産物の体内分布と利用に及ぼす影響
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概要
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分枝の有無が大豆の収量成立過程に及ぼす影響を解析するため, 分枝を切除した個体(主茎型)と分枝を着生した個体(標準型)とで, 同化産物の体内分布と利用の差異を比較した. 開花始期, 莢伸長始期および子実肥大始期に異なる葉位の葉(主茎上位葉, 主茎下位葉, 分枝葉)に^<14>CO_2を供与し, 供与から24時間後あるいは7日後における作物体各部位, 器官の比放射能を測定した。部位別の乾物重は主茎のどの部位においても主茎型が標準型に優り, その差は下位節ほど大きかった(第1表). 主茎葉の^<14>C同化効率(葉面積当り^<14>C吸収量)は主茎型が標準型より高かった. 主茎型における下位葉が吸収した^<14>Cの他部位・器官への転流割合は, 標準型のそれに比べ, 開花期では小さいが莢伸長期では大きくなった(第2表). 主茎上位葉が吸収した^<14>Cの体内分布の様相は, 主茎型と標準型とで大差なかった. 主茎下位葉が吸収した^<14>Cは, 標準型では分枝に, 主茎型では主茎下位節に, それぞれ相対的に多く分配された(第3表). 主茎型の主茎下位葉の同化効率ほ莢伸長期まで比較的高く維持され, その同化産物は下位節の莢, 茎および根に多く分配され(第3, 4, 5表), これらの形成を促した(第1表). 主茎型におけるこのような同化産物の分配, 利用の特性は, 主茎型の高い密植適応性を裏付けるものと考えられる.
- 1985-12-05
著者
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