グレインソルガムの旱ばつ下における水分ポテンシャル, 拡散抵抗と穀実収量の品種間差異
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概要
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旱ばつがグレインソルガムの水分ポテンシャル, 拡散抵抗ならびに収量におよぼす影響を明らかにするため, 非抵抗性, 抵抗性の2品種を供試し, その品種間差異について検討した。旱ばつ時の水分ポテンシャル, 拡散抵抗には品種間差異が認められ, 耐旱性品種のC 42yは, E59にくらべ水分ポテンシャル, 拡散抵抗ともに高かった。水分ポテンシャルの日変化は適湿条件下, 旱ばつ条件下ともほぼ同様な変化を示したが, 旱ばつ条件下の水分ポテンシャルは適湿条件下よりかなり低く, また夜間の回復もきわめて緩慢と思われた。拡散抵抗は適湿条件下でも早朝, 夕方は気孔が閉じているため高いが, 日中は低かった。しかし旱ばつ条件下では, 日中の拡散抵抗は著しく高かった。水分ポテンシャルと拡散抵抗との関係は, スレショールド型を示し, -19 barより低下すると拡散抵抗が著しく高まった。品種間に差がみられ-19 bar以下ではC 42yがE 59より拡散抵抗が高く, これがC 42yの水分損失を防ぎ高い水分ポテンシャルを維持した要因の一つと考えられた。旱ばつが穀実収量におよぼす影響は穂旱期で最も大きく, ついで乳熟期, 栄養生長期であった。品種間では, C 42yがいずれの生育時期に旱ばつをうけてもE59より減収率が低く, かつ収量も多く耐旱性品種として有望と思われた。
- 日本作物学会の論文
- 1978-06-30
著者
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