日本型稲における稲体窒素濃度と1穂の穎花への乾物分配および籾容量との関係(Plant Prod. Sci. VOL5, NO3 和文要旨)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
収量キャパシティの要素である1穂上の総籾容量と地上部の窒素濃度および乾物重との関係を1本仕立てにした日本型稲(品種:日本晴)を用いて検討した.出穂の40日前から,2段階の遮光処理と3段階の施肥処理の組み合わせにより,稲体の生育を制御した.穎花分化終期の地上部乾物重あたりの穎花数は,その時期の稲体窒素濃度と直線関係にあった.穎花分化終期の地上部乾物重に対する出穂期の穎花重の比率は,穎花分化終期の窒素濃度が低いレベルでは,窒素濃度の増加に従って増加したが,増加率は窒素濃度2%を境に低下した.また,穎花重の低下により外穎は小さくなった.このため,一穂上の総籾容量の穎花分化終期の地上部乾物重に対する比率は,窒素濃度が低いレベルでは窒素濃度とともに増加したが,2%で増加は止まった.これらの結果は,1穂の籾容量を窒素施肥により増加させるには,窒素施肥により乾物生産が増加することが必要であることを示している.
- 2002-09-05
著者
関連論文
- 55 水稲の登熟期の転流・分配に関する研究 : 5.再転流に対する亜種間・品種間の気温反応の差異(光合成・代謝)
- 89 開花前の気温と日射量が水稲の開花時刻に及ぼす影響(環境ストレス,日本作物学会第226回講演会)
- 開花前の気象が水稲の開花時刻に及ぼす影響(日本作物学会中国支部講演会)
- 91 穂温がほぼ同一のときに湿度が水稲の葯の裂開,受粉,花粉の発芽に及ぼす影響(環境ストレス,日本作物学会第225回講演会)
- 子実への同化産物供給不足による高温下の乳白米発生(作物生理・細胞工学)
- P-3 微生物資材施与が植物他感作用を活用した雑草抑制効果とコマツナ生育に及ぼす影響(日本作物学会第226回講演会)
- 45 タイ稲作の生産変動実態ならびに降雨量が生産変動に及ぼす影響
- 開花期の高温での水稲の受精および柱頭上の花粉数との関係(日本作物学会第216回講演会要旨・資料集)
- 生育収量と栄養素の吸収・利用からみた畜産廃棄物発酵処理液の水田への施用効果(日本作物学会第216回講演会要旨・資料集)
- 89 草高の異なるイネ品種と混植されたタイヌビエの草高の推移
- 草高の異なるイネ品種と混植されたタイヌビエの草高の推移
- 30 小麦・稲の収量と養分吸収に及ぼすエンドウの有機性廃棄物含有活性コンポスト化(栽培,日本作物学会第225回講演会)
- 開花期の高温による不稔発生における日本稲の品種間差異
- 日本稲における開花期の高温による不稔の発生と気温および湿度・風速条件との関係
- 高温条件下での同化産物不足による乳白米発生
- P-8 ダイズとササゲの生育に及ぼす炭化有機物2種類の施用効果(日本作物学会第225回講演会)
- 日本型稲における稲体窒素濃度と1穂の穎花への乾物分配および籾容量との関係(Plant Prod. Sci. VOL5, NO3 和文要旨)
- 水田における土壌特性値と水稲収量の空間変動解析および収量規定要因の解析
- 水田におけるほ場情報マップの作成
- マシンビジョンによるイネの窒素保有量の推定
- 16-12 水田における土壌特性値および収量の空間変動解析(16.水田土壌肥沃度)
- 中国長江中流域で観察された高温によるイネの受粉障害(講演要旨,第139回講演会)
- 米ぬか散布がイネのカドミウム吸収に及ぼす影響
- 米ぬかの雑草抑制効果に着目した低農薬稲作技術の確立に関する研究
- 74 高温・高CO_2濃度環境がイネの生育収量に及ぼす影響 : 第2報. 開花期高温不稔における高温感受性時期と花粉発芽について
- 四倍体コムギ品種エンマーおよびピラミダーレの開花特性とその遺伝的制御機構
- 平成16年度における水稲の生育特性 (栽培記録(2004年度))
- 栽培記録 平成21年度(2009年度)における作物の生育特性
- 栽培記録 平成20年度(2008年度)における作物の生育特性
- 栽培記録 平成19年度(2007年度)における作物の生育特性
- 平成18年度における水稲の生育特性
- 平成17年度における水稲の生育特性
- 水稲の開花期の高温による不稔と葯の裂開機構に関する研究(日本作物学会研究奨励賞受賞特別講演)
- 湿度が水稲開花期における高温不稔に及ぼす影響
- 栽培記録 平成22年度(2010年度)における作物の生育特性
- 2010年夏期の記録的猛暑が京都大学附属農場産のイネの外観品質に及ぼした影響
- イネ葉身のデジタル画像を用いた初期生育の診断法の確立
- 米ぬかの雑草抑制効果に着目した低農薬稲作技術の確立に関する研究