ヒト歯髄培養細胞におけるStreptococcus mutansによる細胞死の誘導(大阪歯科大学大学院歯学研究科博士(歯学)学位論文内容要旨および論文審査結果要旨の公表)
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概要
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Streptococcus mutansは, 齲触原性連鎖球菌のなかで大部分を占める細菌である.Streptococcus mutansは, 活動性齲触の病変部ほど全連鎖球菌中の比率高く, また歯の萌出後にStreptococcus mutansの感染と定着が早いほど齲触に罹患し易いし, 唾液中のStreptococ-cus mutansの比率の高いほど齲触罹患率の危険度が上昇することなどからStreptococcus mutansはヒトの齲触発生と密接に関連している可能性が強く示唆されている.本研究では, 歯髄組織に対するStreptococcus mutansの細胞障害性を調べる目的でin vitroでStreptococcus mutansがヒト歯髄培養細胞に細胞障害性を与え, この時の細胞死がアポトーシスであるかどうかについて検討しました.歯髄細胞は, 臨床的に健全なヒト新鮮抜去歯から得られた歯髄細胞を2〜5代, 継代したものを使用しました.Streptococcus mutansは, 歯から採取したプラークから分離, 培養したものを使用した.そして, 細胞致死活性率はMTT法, LDH法およびBrdU法により測定した結果, これらの値は有意に上昇した.また, アガロースゲル電気泳動, フローサイトメトリーおよびELISA法によりDNAの断片化を確認し, アポトーシス誘導能を検討した.その結果, 時間の経過とともに, Streptococcus mutansの濃度依存的にDNA断片化の増加が認められ, Strepto-coccus mutansによる歯髄細胞の細胞死はアポトーシスによるものであるという結論を得た.
- 2000-06-25
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