顎顔面形態と下顎運動との関連性について
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概要
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顎顔面形態と下顎運動がどのように関連しているか検討するために, 顎機能に異常を認めない25名を対象として研究を行った。顎顔面形態については被験者の側面・正面頭部X線規格写真より角度的・距離的計測項目に関して計測を行った。下顎運動については被験者の最大開口運動・前方限界運動・側方限界運動を光学式三次元6自由度顎運動測定装置ナソヘキサグラフにより測定し,切歯点および顆頭点における運動量と運動路傾斜度を計算した。そして, 求められた顎顔面形態の計測値と下顎運動の計測値との相関を統計学的に調べた。その結果, 1) 最大開口運動時, 下顎骨回転角は顎顔面形態と相関を認めなかった。切歯点においては上下顎骨の大きさおよび前顔面の長さと, 顆頭点においては上下顎骨の大きさよりも上下顎骨の前後的位置関係および下顎切歯の歯軸傾斜度と相関を認めた。2) 前方限界運動時, 切歯点においては上下顎骨の大きさおよび上下顎骨の前後的位置関係と, 顆頭点においては∠FH-Yaxisおよび上下顎骨の幅と相関を認めた。3) 側方限界運動時, 切歯点においては上下顎歯槽骨の前後長および上下顎切歯の歯軸傾斜度と, 顆頭点においては上下顎骨の大きさおよび下顎切歯の歯軸傾斜度と相関を認めた。以上より, 下顎運動と顎顔面形態の計測値との間にさまざまな相関が認められたことから, 下顎運動は顎顔面形態に応じた運動を行っている可能性が示唆された。
- 1997-09-25
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