クロルフルアズロン感受性および抵抗性コナガにおけるクロルフルアズロンと共力剤および殺虫剤との共力作用ならびに連合作用
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概要
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クロルフルアズロン感受性および抵抗性タイ国産コナガ(TLおよびBP系統)における, TPPおよびPBとクロルフルアズロンの共力作用を調べた.両抵抗性系統におけるTPPとPBの共力作用係数は, いずれの抵抗性系統ともそれぞれ7と4であった.感受性TL系統ではTPPおよびPBとも共力作用は認められなかったが, 感受性BK系統ではTPPは2, PBは3であった.これらの結果から, TPPに感受性の酵素系がクロルフルアズロン抵抗性に関与していることが考えられた.致死量以下(<LC_1)のテフルベンズロンをクロルフルアズロンと同時に処理すると, クロルフルアズロン抵抗性系統においては高い共力作用が認められたが, 感受性系統では共力作用は認められなかった.このことは, テフルベンズロンがクロルフルアズロン分解酵素を阻害していることを示唆している.クロルフルアズロンとテフルベンズロンやピリプロキシフェンとの混合処理は, 特に抵抗性系統で高い連合作用が認められた.一方, フェンバレレート, フェントエートやチオディカルブとは連合作用は認められなかった.テフルベンズロンやピリプロキシフェンとの高い連合作用は, これら殺虫剤によるクロルフルアズロン分解酵素あるいは作用点の阻害によるものと考えられた.
- 日本農薬学会の論文
- 1998-08-20
著者
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宮田 正
Laboratory of Applied Entomology and Nematology, Faculty of Agriculture, Nagoya University
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宮田 正
Laboratory Of Applied Entomology School Of Agricultural Sciences Nagoya University
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ファーミー アデル
Laboratory Of Applied Entomology School Of Agricultural Sciences Nagoya University
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Fahmy Adel
Laboratory Of Applied Entomology School Of Agricultural Sciences Nagoya University
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