形態と配色の組み合わせにおけるバランス性の判断について
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概要
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この研究においては2つの実験が計画された。実験Iにおいては, 正方形, 円, 正三角形の3種の地と, 同じ3種のそれぞれ3つのサイズの挿入図形が用意される。同じ形態の挿入図形を2つの相異なる形態の地に入れて, 一対比較法によりバランスのよいと思われる方を, 30人の男子被験者によって選ばせた。これらの一対比較は81対あり, これがランダムに呈示された。このような81対の組み合わせ実験は, 地と挿入図形の色(白と黒)を入れ替えることにより2回行なわれた。実験IIでは, 第一に地を白とした正方形, 円, 正三角形を用意し, それぞれの形態ごとに挿入図形として特定の形態の3つのサイズを入れて比較し, その中で最もバランスのよいものを選ばせる。挿入図形の色は赤, 黄, 青の3色とし, 全体としては27通りの選択判定が行なわれた。次に, 地を有彩色(赤, 黄, 青), 挿入図形を白として同様な実験を繰返した。その結果, 両実験において地と挿入図形の形態並びに色の組み合わせの如何に拘らず,「中」サイズの挿入図形が最もバランスがよいと判断された。併し乍ら白と黒の配色(実験I)では, 正方形同士, 正三角形同士という角ばったもの同士の組み合わせにおいてバランス性がよく, 一方白と有彩色の配色(実験II)では, むしろ丸味のある円同士の組み合わせにおいてバランス性の高い評価を得る。
- 日本色彩学会の論文
- 1985-03-30
著者
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