地球情報学 : その目指すもの
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概要
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自然科学の中において, 地学に分類される天文学, 地球物理学, 地球化学, 地質学, 鉱物学はすべて, 取り扱う情報に空間座標が含まれるという特徴をもつ.このような情報の解析では, 座標とそれ以外の属性を分けて処理しなければならない.そこで, 空間座標を必須に含む情報を, 他の一般的情報と区別するために, 「地球情報」と定義する.地球情報の1つの大きな特徴として, それが多次元であることが挙げられる.通常の表示は2次元平面で行われるため, 多次元情報の表示には各種の工夫が必要である.例えば, 等値線, 立体視, 三原色の重ね合わせを組み合わせると, 7種の変数の間の関係を同時に表示することができる.現在行われている情報学では, 得られた情報の処理が主体となっている.しかし, 情報学における最も重要な点は, 情報の処理ではなく取得である.情報は何らかの目的のために取得される.この目的を知らずして, 精度の高い情報は得られない.一方, この目的のために, 往々にして得られた情報に大きなバイアスが掛る.地球科学を初めとする野外科学では, この傾向が特に強い.そこで, 情報の取得に当たって, 地球科学者は, 常に恣意性を意識することによって, 目的に適う情報をなるべくバイアスが掛からないように取得するよう努力している.このため, 地球情報学は, 情報取得の分野で先導的役割を果たすことが期待される.
- 1998-09-25
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