膵癌の根治手術(<特集>第22回日消外会総会シンポ : 消化器癌の治療のあり方)
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概要
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1935年Whippleによってはじめられた膵頭十二指腸切除(以下膵頭切除)は,膵頭部癌の外科的治療の基本術式となっている.本邦における膵頭切除の概略を述べると,1950年代に,吉岡,今永そのほかによって,基本術式が確立され,1960年代には,本庄,麻田らによって膵頭部癌の切除率の向上をめざした門脈合併切除が報告された.一方,膵頭切除の手術死亡率の改善をめざして,黄疸を軽減せしめた後に病巣を切除する,所謂二次的手術が,槇,佐藤らによって提唱された.本法はその後の中心静脈栄養法などの管理技術の向上とあいまって,膵頭切除の手術死亡率を著しく改善せしめた.このようにして,膵頭部癌患者は,手術死亡が少なくなった.しかし,せっかく手術に耐えても,術後1〜2年にその大部分が癌の再発によって死亡し,5年生存者は極めて少ないのが現状である.そこで,癌の再発を防止すべく膵頭部癌の根治手術の必要性が痛感され,私どもはこの目的をめざして拡大郭清手術を実施しつつあるので報告する.なお本論文中の膵癌に関する記載は,膵癌取扱い規約に準処している.
- 1984-04-01
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