直腸癌術後早期に硬膜外膿瘍を発症した1例
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概要
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硬膜外膿瘍は持続硬膜外ブロックの合併症の一つであり,その発症頻度は1万人当たり1.96人と増加傾向にある.今回,直腸癌術後早期に硬膜外膿瘍を発症し,保存的治療で軽快しえた症例を経験したので報告する.症例は70歳の女性,直腸癌で低位前方切除術施行.L1/L2に硬膜外カテーテル留置.術後5日目腰背部痛出現,カテーテル刺入部に皮下膿瘍確認.カテーテル抜去し切開排膿,抗生剤投与したが,激しい頭痛と発熱が出現.脊椎MRIでL1/2レベルに2cm大のGd-T1強調で周囲がenhanceされる腫瘤像を認め,硬膜外腫瘍と診断した.膿汁培養でMRSAが検出されたため抗生剤をVCMに変更,抗生剤投与のみで後遺症なく治癒した.硬膜外膿瘍の起炎菌は,近年MRSAの占める割合が増えており,術後硬膜外ブロック施行後,頭痛などを伴う発熱を認めた場合,硬膜外膿瘍も念頭に置いた検査,治療が望まれる.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2002-05-01
著者
-
石川 治
大阪府立成人病センター消化器外科
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今岡 真義
大阪府立成人病センター消化器外科
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亀山 雅男
大阪府立成人病センター外科
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亀山 雅男
近畿大学 医学部外科
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村田 幸平
大阪府立成人病センター外科
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岸上 義彦
大阪府立成人病センター細胞診断科
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岸 義彦
大阪府立成人病センター麻酔科
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團野 克樹
NTT西日本大阪病院外科
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岸上 義彦
大阪府立成人病センター麻酔科
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團野 克樹
大阪府立成人病センター第2外科
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今岡 真義
大阪府立成人病センター外科
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石川 治
大阪府立成人病センター外科
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今岡 真義
大阪府立成人病センタ-外科
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