世話人のまとめ
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概要
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食道表在癌の新肉眼分類と深達度亜分類の徹底により, 食道m_3/sm_1癌の微小, 広範浸潤のみきわめ(主題I)に対する信頼性の高い討議がなされた。そのポイントは隆起のよみ方, とりわけ隆起の色調, 陥凹内の隆起, 辺縁隆起である。隆起成分の微細な観察により, 粘膜筋板への接触, 浸潤面積の上皮進展部に対する割合が高い病巣(60〜80%以上)の術前診断が可能となる。このような症例が食道m_3/sm_1広範浸潤癌と考えられ, Lyやリンパ節転移を伴う可能性が高い。一方, 粘膜筋板への接触, 浸潤が小さい症例, m_3/sm_1微小浸潤癌のpositiveな術前診断には難渋している。しかし, その深達度予測はm_3/sm_1より浅めのことが多く, 結果的にもリンパ節転移のない局在癌の可能性が高い。Stereotypeの手術適応は慎むべきである。今後, 食道m_3/sm_1癌のかなりの症例において後療法を行わない内視鏡的粘膜切除が主流となる可能性がある。導管内食道進展の実態(主題II)では, 病理学的討論に興味を惹かれた。13施設, 表在癌826例のアンケートによれば, 122例(14.8%), 126病巣に導管進展が認められ, 大きい病巣に導管進展が高率であった。導管進展の症例当たりの数は1個59%, 2〜4個29%, 5〜32個12%であった。導管末端のう胞状拡張は57%, 固有食道腺侵襲23%, 導管進展の基底膜破壊16%, 周囲間質浸潤11%の症例に認められた。基底膜破壊や周囲間質浸潤(導管浸潤)例は13%であり, 食道腺侵襲陽性例に高率であった。この導管浸潤により深達度skipが生じた症例は4%(3例:m_1→sm_2, m_2→sm_1, m_2→sm_2)であった。導管進展の発生と病巣のひろがり(面積)は密に関連したが, その発展が癌深部浸潤の重要な経路とは考えられなかった。しかし, 今回は導管進展のmontageを作成したにすぎない。今後, 臨床と病理の密接な連携によりその実態が浮き彫りにされること熱望する。尚, 本研究会の英文呼称がJAPANESE RESEARCH SOCIETY FOR EARLY ESOPHAGEAL CANCER AND CHROMOENDOSCOPYと決定された。
- 1999-08-01
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