一過性部分肝血行遮断後の遮断葉, 非遮断葉における壊死と再生についての実験的検討

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概要

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一過性部分肝血行遮断後の遮断葉, 非遮断葉における懐死と再生の機構を、ラット肝70%領域血行遮断モデルを用いて検討した.血行遮断葉では, 再灌流開始早期から中心静脈周囲に懐死を認め, 遮断時間が長いほど懐死領域は広範囲であった.しかし, 120分間の長期遮断であっても, 再肝流後14日目までに懐死領域は消失し正常組織に回復した.PCNA標識率を指標とする肝再生能は, 遮断葉, 非遮断葉ともに再灌流開始2日後にピークを示した.生存率については, 90分までの遮断は全例生存したが, 120分遮断では生存率が89%に低下した.血行遮断解除後残りの30%領域の領域の永久血行遮断を行うと, 90分, 120分間遮断群では生存率がそれぞれ80%, 33%に低下した.したがって 90分以上の部分肝血行遮断をした場合、非遮断葉が適正に機能することが、固体の生存と遮断葉の障害からの回復に極めて重要と考えられた
一般社団法人日本消化器外科学会の論文
1998-09-01

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