胃癌の DNA ploidy pattern と臨床病理学的所見の関連について : 分化型腺癌と未分化型腺癌の比較
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概要
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1978年から83年に浜松医科大学第2外科で切除した胃癌89例について,フローサイトメトリーによるDNA ploidy patternを解析した結果,分化型胃癌47例では,diploid 22例(47%),aneuploid 25例(53%)と半数ずつ占めるのに対し,未分化型胃癌42例では,diploid 29例(69%),aneuploid 13例(31%)で,diploidの多い傾向を認めた.分化型胃癌では,進行度に対応してaneuploidの頻度が増し,さらに生存率の検討でもaneuploid症例は有意(p<0.05)に不良であり,DNA ploidy patternと予後との間に関連のあることが示唆された.一方,未分化型胃癌では,このような関連は認められなかった.これは,実質と間質の量比および浸潤増殖様式の因子などにより規定されるためと考えられた.以上より,胃癌細胞核DNA量の測定は,分化型胃癌において,生物学的悪性度を反映するよい指標と考えられる.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1991-09-01
著者
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