胃中部早期胃癌に対する縮小手術の適応 : リンパ節転移からみた retrospective な検討

概要

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胃中部早期胃癌144例の所属リンパ節への転移状況をretrospectiveに検討し,縮小手術の可能性と合理的なリンパ節郭清範囲について検討した.リンパ節転移は6例(4.2%)で,m癌,sm癌の転移率はおのおの1.1%,9.8%であった.sm癌で大きさ5.1cm以上,混合型(IIa+IIcなど),porにリンパ節転移が多かった.リンパ節転移部位は(1),(3),(4d),(7),(8a)であった.胃中部早期胃癌の縮小手術の適応を胃切除と系統的リンパ節郭清範囲の縮小との観点から想定した.縮小手術は内視鏡的治療の適応外で肉眼型と大きさにかかわらず深達度M癌,深達度SM癌(SM_1またはSM_2)は,大きさ5.0cm以下の隆起型(I,IIa)または陥凹型(IIc,III)が適応となる.porのSM癌は縮小手術の適応とはなりえない.また,縮小手術としては,分節胃切除,リンパ節は,(1),(3),(4d),(7),(8a)を郭清するのが合理的と考える.
一般社団法人日本消化器外科学会の論文
1995-05-01