消化器癌患者の免疫パラメーターとしてのK値の臨床的検討
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概要
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リンパ球のT.B細胞比率を求めるとき,perioxidase反応より求める補正値Kを消化器癌患者93例について臨床的に検討し,次の結果を得た.1)Kは健常人では1.25±0.10(n=25),良性疾患患者では1.33±0.18(n=26)に対し,消化器癌患者では1.53±0.26と有意に高値をとった.2)消化器癌患者ではKは非治癒手術群は治癒手術群に比べ有意に高値をとった.3)非治癒手術群ではほとんどの症例において術前Kは1.5以上を示し,癌の進行とともに上昇し,死亡1〜2ヵ月前には2.0以上を示すものが多く,治癒手術群では低値で大きな変動はなかった.4)他の免疫parameterではPPD反応とよく相関した.以上よりKは非特異的免疫parameterとして,癌患者のmonitoringに有用であるものと考えられた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1984-05-01