微小径ドリル加工の切残しに及ぼす二, 三の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
微小径ドリル加工における切残しは, 結晶粒が比較的大きい被削材に微小ドリル送りで穴あけをしたときに少なくなる現象がある.本研究ではこの現象を解明する一つの方法として三つの推測をし, これを実験的に証明する方法により次の結果を得た.1)微小径ドリルの切れ刃稜上の微小な凸部は, 1回転あたりの切込み深さが微小なほどそれぞれが切れ刃となり, 微小切削が行われる.2)このとき切削抵抗は被削材の結晶粒数が多い場合にそれが少ない場合と比べて, 結晶の異方性の影響で大きくなる.3)切残しが生成されやすい面積は, 加工の対象になっている大きい結晶粒で大きくなる.しかし結晶粒が比較的大きく, 個々の結晶粒の粒界が被加工面のごく近傍に連続している場合の穴あけでは, 結晶粒界が塑性変形を妨げるために切残しは少なくなる.
- 公益社団法人精密工学会の論文
- 1982-03-05
著者
関連論文
- 黄銅のラップ焼けについて
- 施盤用バイトを用いた極微量切削の研究
- 微小径ドリル加工の切残しに及ぼす被削材組織の影響
- ドリル加工におけるドリル径の微小化に伴う刃先形状の影響 : 0.02%C鋼における切残し
- 加工形状の微小化に伴なう剪断量と塑性量との関係-2-穴あけに及ぼすドリル刃先形状の影響
- ラップ液のpHに関する研究(第2報) : ラッピング加工のインプロセス制御
- ラップ液のpHに関する研究
- 微小径ドリル加工の切残しに及ぼす二, 三の影響
- 微小径ドリルによるSUS631板への穴あけ