波浪条件の変化による特徴的砂漣の形成に関する実験的研究
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概要
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波浪条件の変化により現れる特徴的砂漣の断面形状とその形成過程を調べるために, 波による振動流の非対称性に着目して, 二次元造波水路実験を行った.実験ではまず初期砂漣を形成し, これに様々な条件の波を作用させて変形過程を観察した.底質には粒径が異なる2種類の砂を用いた.実験の結果, 砂漣が顕著に変形する際には, (1)各谷部に二次波峰を1本ないし2本もつ砂漣, あるいは(2)円頂型砂漣, のいずれかの形成を伴う変形過程が観察された.二次波峰をもつ砂漣は, 振動流の非対称性が弱く, 初期砂漣の岸・沖斜面上に交互に顕著な渦が形成され, なおかつ渦の水平長(d_v)と初期砂漣波長(λ_*)の比が0.5より小さい場合に現れる.d_v/λ_*値が0.5近傍かそれよりもわずかに大きい場合, 砂漣は顕著な変形を示さない。二次波峰の本数は, d_v/λ_*値が0.35-0.5のとき1本, 0.35以下のとき2本となる.二次波峰をもつ砂漣は変形過程において一時的に現れるものであり, 二次波峰の成長によって最終的には初期砂漣より波長が小さい砂漣が形成される.二次波峰を1本もつ砂漣が出現する前の段階では船底型砂漣が, 二次波峰を2本もつ砂漣の変形過程では双峰型砂漣が, それぞれ発達する.非対称性が強い振動流下では, 堆積物は渦の影響を受けず, 掃流砂として主に岸向きに移動する.その結果, 円頂型砂漣が形成される.特に粒径が大きい場合には, 尖った谷部をもち, 対称性がよい円頂型砂漣が出現し, これが安定した地形となる.
- 日本地形学連合の論文
- 2005-01-25
著者
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