北西ボルネオ島,ブルネイにおける長期の地形発達に及ぼす隆起が誘因となる基盤崩壊の役割(<特集>地形プロセスにおけるロックコントロール)
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概要
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ボルネオ島の北西,ブルネイの南東部とそれに隣接するサラワクの一部の山地は,テクトニックな隆起を受けており,その隆起速度はここ200万年で0.2mmy^<-1>というコンスタントな値を示す.このことは現在のこの地域の起伏がおよそ400mであるということをうまく説明できるものである.この地域は未開拓の熱帯雨林によって覆われている.隆起とそれに関連した流域河川の開析は,急勾配の斜面で特徴づけられる地形をつくり出し,その結果斜面を不安定にする.隆起と開析の間には動的平衡が存在するとみなされ,それはマスムーブメントによって特徴的な斜面形を維持することになる.河川に隣接する40度あるいはそれより急な斜面は平行後退をし,それらの斜面形は風化残積土層の薄い板状崩壊によって維持されている.主要な谷は30度の斜面形によって特徴づけられる.この斜面形態は基盤頁岩の深層回転すべりの結果形成されたものと考えられる.この回転すべりは,河川の開析と斜面先の後退によって,河川に隣接する急勾配な下部斜面が上部の谷壁斜面に比較して急激に高さを増加させることによって引き起こされる.いくつかの大規模な回転すべりについて逆解析を行い,せん断強度パラメーターのほぼ一致した値を得た.そこで,板状崩壊によって下部斜面が後退するという理想的な仮想斜面において,これらのせん断強度値を用いて安定条件が変化するというモデルを適応することによってこの仮説は検証された.それゆえ長期の地形発達のこのメカニズムは,この地域の連続した隆起によってもたらされるということが示される.
- 2002-03-25
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