砕波後の波によって形成される波食棚の高度 : 水槽実験結果の解析
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概要
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前面水深の小さい場に形成される波食棚の高度と波高との関係を調べるために,平面造波水槽の一端に作られた長さ3mの人工崖(セメント・砂・水の混合物で,圧縮強度340gf/cm^2)に砕波後の波を作用させた侵食実験(Sunamura,1973)の結果を解析した.崖の沿岸方向に25cm間隔で設けた9測線のすべてにおいて波食ノッチが形成された.ノッチの下限値を波食棚形成の初期高度とみなし,これと各測線の崖前面での波高との関係を調べた結果,波高が増大するにつれて波食棚の高度は低下することが明らかとなった.この関係は次式で示された.z_c/h=-0.42[4.9+ln(ρgH/S_c)]ここに,z_cは静水面から測った波食棚の高度,hは崖前面での水深,Hはそこでの波高,S_cは崖の構成物質の圧縮強度,ρは水の密度,gは重力の加速度である.なお,この実験ではS_c=一定としているので,波食棚高度に及ぼすS_cの効果については論じることはできない.
- 日本地形学連合の論文
- 2002-07-25
著者
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