様々な時空間スケールにおける水文地形プロセスの新しい概念
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概要
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本稿では水文地形学で新たに出現した課題に関する背景,進展,および提唱された将来の方向性を紹介する.多くの水文地形プロセスが非定常であることが水文モデルや土砂流出モデルを本質的に不確実にしてしまう根本的な理由のひとつとなっている.そのため,水文地形学においては時空間リンクをより良く理解する必要があるものと考えられる.本稿では,それらの例を流域内での降雨流出や土砂移動を評価するために必要ないくつかの時空間分布プロセスに関する情報から紹介する.このような時空間挙動に関する詳細な知識は,流域における持続的な土地利用活動に対する管理指針を提供するために必要である.土地利用や他の外的要因の影響を評価するための概念モデルは,通常の水文地形プロセスの閾値が人的要因により大きく変化させられていることを示している.つまり,比較的簡易であるが意味のある方法を用いた現象の予測やモデルの中に,時空間的な水文地形の連鎖を組み込む必要のあることが強調されている.ただ,このような遡る試みは今まで内在的な流域プロセスに焦点を当ててこなかったため,流域管理手法を良好に類推するまでには至っていない.
- 日本地形学連合の論文
- 2004-10-25
著者
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