鉛中毒における赤血球プロトルフィリンについての歴史的考察
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概要
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この論文の著者はPermanent Commission and International Association on Occupational HealthのPresident(国際労働衛生会議常任委員会会長)で, この産業医科大学雑誌に特別寄稿されたものである. 著者は, 現在の産業医学あるいは労働衛生の元祖とも言われるラマチー二を先輩に持つイタリアの老学者であるが, その学問的業績並びに労働衛生への貢献により, 国際的に高い名声を轟かせている. この論文はProfessor Viglianiの長い研究生活の中で, 鉛中毒との科学的な戦いを彷佛とさせるものがある. 今でこそ,ヘモグロビンの生合成が解明され, 鉛がどの段階での酵素に障害を与えるかは, よく知られており, ALADおよび赤血球のプロトポルフィリンは鉛によって最も早期に, 敏感に影響されることがわかっているが, Professor Viglianiはl930年代に既にこれらのことを予見していた. しかしながら, その業績はイタリア語で書かれた為に, 研究者の間によく知られていなかった. この論文は若き日のProfessor Vigllaniの鉛との戦いを, 非常に簡潔に物語っているが, その紙背に, 産業医学の先駆者としての苦しい戦いを窺うことができる. Professor Viglianiが非常に御多忙にもかかわらず, このような論文を我が産業医科大学雑誌に特別寄稿されたことに, 一同に代わって深く感謝の意を表わしたい. そして, 産業医科大学の学生諸君がProfessor Vigllaniを継承し, 更に, それ以上に発展されることを期待して止まない.
- 1981-03-01
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