酵母に対する人工着色料の作用 (I)
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概要
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以上の結果を要約すると次のようになる。1. K社の人工着色料 : 赤色の2号、赤色3号、赤色102号、赤色103号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色2号、紫色1号、以上12種類の人工着色料の生長への影響、呼吸欠損変異誘起の点を酵母S. cerevisiaeを用いて調べた。2. 酵母の生長を阻害する人工着色料赤色3号、赤色103号、赤色104号、赤色105号で、阻害の大きさは、赤色3号<赤色103号<赤色104号<赤色105号だった。3. 酵母の呼吸欠損変異のinducerとなった人工着色料は赤色104号、赤色105号であった、閾値の濃度は両色素とも5×10^<-3>%で、90%以上の呼吸欠損変異誘起率を与える濃度は赤色104号で2.5×10^<-2>%、赤色105号は10^<-2>%だった。4. 赤色104号、赤色105号の生長阻害、呼吸欠損変異のinducerの作用をクローマ社のフロキシンB、ローズベンガルと各々比較した。クローマ社のフロキシンBもローズベンガルも共に酵母の生長阻害作用そして呼吸欠損変異のinducerとしての作用も示した。フロキシンBと赤色104号、ローズベンガルと赤色105号の間に、酵母に対する作用の面で有効濃度に大きな違いがあったが、これは純度の違いによると考えた。5. 以上の結果を塩基性色素の呼吸欠損変異のinducerとしての働きと比較、検討し、酸性色素である赤色104号、赤色105号が塩基性色素のマグダラレッドやサフラニンTと同じ程度の濃度範囲で呼吸欠損変異菌を誘起することがわかった。
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