遷延性意識障害者への看護の姿勢にみる生命倫理上の問題点 : 看護学生のVTR鑑賞後のレポート分析から(第8回日本生命倫理学会年次大会セッション「生命倫理教育」)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1994〜1996年度の国立K医療短大看護学科2回生延べ233名の、「あなたの声が聞きたいpartll」と「尊厳死を求めた家族の記録」のVTR鑑賞後のレポートから、対象の人間観・生命観と生命倫理上の問題を分析した。遷延性意識障害者へのケア選択の姿勢から、対象群には命のかけがえのなさや生存の権利を主張する生命尊重派に対して、自己決定の優先性を主張する意志尊重派がやや優勢な傾向がみられた。さらに、自分と家族の場合でのケア選択を比較すると、両派とも同レベルで自分には尊厳死を求める傾向を示し、意志尊重派では家族にも尊厳死を求める傾向がみられた。このことから、生命観の如何に関わらず、意志の捉え方に多様性がなく、無意識に、人間性をもつ人格だけを尊重するパーソン論の立場をとっている可能性が示唆された。以上より、医療者として自己の生命観・人間観を意識化することが重要だと考える。
- 日本生命倫理学会の論文
- 1997-09-08
著者
関連論文
- やる気と不安傾向及び自己評価の年次推移からみた外科系臨床実習の課題
- 学生の自己評価からみた成人外科系実習の課題(平成9年度)
- 外科系臨床看護実習に於けるやる気と不安傾向との関連
- 外科系臨床看護実習に於けるやる気の変化と、達成・親和・権力動機による要因分析
- 学生の自己評価からみた実習における今後の課題
- 拘束状態における体位変換・マッサージの効果 : α波出現度合いの時間的推移
- 医療の質と安全の推進に向けたICTの活用 : ユーザビリティから見た有効性
- 大学院修士課程における看護情報学に関わるカリキュラム内容の実際 : 2004年、2005年度のシラバスからの検討
- 看護学教育におけるヘルスアセスメント授業の学生による評価 : A大学における5年間の取り組み
- 3年課程短大生の進路決定理由の実態からみた看護基礎教育の課題
- インフォームド・コンセントをめぐる認識の"ズレ"が問いかけるもの
- 看護者の責任 : 医療リスクマネジメントにおいて看護職に期待される役割と課題(第16回日本生命倫理学会年次大会報告)
- 看護体験による脳死・臓器移植に対する意識の変化が問いかけるもの
- 遷延性意識障害者への看護の姿勢にみる生命倫理上の問題点 : 看護学生のVTR鑑賞後のレポート分析から(第8回日本生命倫理学会年次大会セッション「生命倫理教育」)
- 脳死の理解度からみた看護学生の「脳死」観
- 看護学研究におけるリーダーシップ能力の測定尺度に関する文献検討
- 臨床看護師の看護実践能力と社会的スキルの発達
- 医療安全推進活動に対する看護職リスクマネージャーの"願い"
- 転倒予防に関する研究の動向と看護分野における今後の課題
- 島根県内の看護師のキャリア・ニーズと修士課程看護学専攻に対する認識
- 看護基礎教育における模擬患者を導入した看護過程の教育効果とその課題
- 役職に就いていないキャリア後期看護師の職業継続意志とその要因