表面筋電図のパワースペクトラムからみた筋疲労回復過程
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概要
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本研究の目的は等尺性収縮を行なった際の筋皮労過程及び筋疲労回復過程の筋の状態を表面務電図の平均パワー周波数及ぴ筋電図積分値から検討することであった。そのため, 健康な成人男子5名を被検者とし上腕二頭筋の収縮を25%MVC及ぴ50%MVC負荷でそれぞれ疲労因臓まで行なわせた後間欠的に短時間の収縮を行なわせた。疲労過程及び疲労回復過程の表面筋電図を上腕二頭筋より導出し検討を加えた。その結果次のことが明らかとなった。1)疲労前の状態では平均パワー周波数は25%MVC負荷時より50%MVC負荷時の方が高い値を示した。2)50%MVC負荷時の平均パワー周波数は疲労とともに指数関数的に低下し3〜5分の休息で完全に疲労前の状態に戻った。3)25%MVC負荷時の平均パワー周波数は疲労過程及び疲労回復過程を通してほとんど変化がみられなかった。4)50%MVC負荷時の積分値は疲労に伴い直線的に増大した。15分間の休息ではその低下はみられなかった。5)25%MVC負荷時の積分値は疲労に伴い2次関数的に増大した。しかし, 疲労困憊後1分間の休息で急速に低下し以後は徐徐に低下した。以上のことから, 疲労過程及ぴ疲労回復過程のいずれにおいても負荷重量によって周波数成分及び積分値が影響を受けることが明らかとなった。閾値張力がFT線維とST線維異なるため負荷重量によって運動単位の動員様式に変化が生じることが一因であると考えられた。一方, 疲労によって低下した平均パワー周波数が短時間で疲労前の状態に戻ったという事実は, 疲労に伴うパワースペクトラムの低周波数化が乳酸による影響だけではないことを示唆するものであった。
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