時系列データによる疾患と食品摂取量の関連の解析
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概要
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悪性新生物や心疾患など近年増加している疾患の罹患あるいは死亡原因として、これまで個別に複数の要因が報告されていることから、これらの疾患の原因は単独の要因によるというより複数の要因により構成されていると考えることもできる。そこで、人口動態統計に年齢調整死亡率が記載された疾患等の時系列データと、食料需給表と国民栄養の現状に記載された一人当たり供給純食料および栄養摂取量の時系列データを使用し、疾患と複数の食品摂取量の関連を主成分分析、相関分析、回帰分析により検討した。主成分分析の結果、疾患等では一二指腸小腸結腸がん(男女)、気管気管支肺がん(男)、食品では肉類の摂取量の増加が、生活の豊かさに関連すると考えれられる時系列の軸と大きな関連を示した。また、平均寿命(男女)も同じ時系列の軸と大きな関連を示した。回帰分析の結果、男性、女性共取り上げた14疾患のうちの8疾患に対し平均寿命は0.9以上の寄与率を示し、年齢調整死亡率が平均寿命でよく予測されるという結果を示した。平均寿命と交絡する因子の存在も考えられるが、平均寿命の延びが疾患の死亡率に影響を与えている可能性が示唆された。多くの要因の間に強い関連が認められるので、疾患と要因の関連を解析する場合は単独の要因だけでなく、複数の要因との関連にも注意を払う必要があると考えられた。
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