社会的ジレンマ問題への学際的接近(<特集>ゲーム理論の拡張 : 新たな合理性概念の構築に向けて)
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概要
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本論文では,社会的ジレンマ問題が現実に解決されている方法として,「プレイヤが集団間を移動する」「ゲームをプレイする相手を選ぶ」効果を検討した.検討に当たって,数理モデルで示された集団間を移動する協力的な戦略が進化論的に生存可能な領域があることを示した後,その可能性を被験者実験と被験者への質問紙調査で管理された環境下での実際の入間行動を調べ,社会調査で実際の社会における人間行動を調べる,という三つの質的に異なるアプローチによる学際的接近を試みた.実験および社会調査データを分析した結果,数理モデルによる理論的予測で示された,「協力率が低い空間では逃げだし,協力的な空間を求める」戦略に近い行動をとる被験者(および回答者)の示すパフォーマンスは(最も高くはないが)高いことがわかった.
- 2004-12-01
著者
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小山 友介
東京工業大学大学院総合理工学研究科
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小林 盾
シカゴ大学
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藤山 英樹
獨協大学 経済学部
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針原 素子
東京大学 人文社会系研究科
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谷口 尚子
帝京大学 社会学部
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大浦 宏邦
帝京大学 経済学部
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藤山 英樹
濁協大学経済学部
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小山 友介
東京工業大学
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