待ち行列系への到着流の最適な振り分けとネットワークへの応用について
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概要
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いくつかの窓口をもつ系があり、各窓口の前にそれぞれ行列をつくらせる場合を考える。到着してきた客を各行列に振り分けるのに、行列の長さ等の情報が利用できる場合と、出来ない場合とがある。行列の長さ等の情報が利用できない場合、到着してくる客をランダムに振り分けるやり方と、何らかの規則に従って振り分ける方法とが考えられる。ここでは、各行列への振り分け比率は既与とした場合、到着してくる客をどのような順番で振り分けると、系全体の混雑を最小に出来るかを調べている。この問題はHajek[1]より提案され、GI/M/1の場合、(1)式で与えられるレギュラーな振り分けが系内数を最小にするという意味で最適になることが示されている。Shirakawa et al。[7]はGI/G/1型などもっと広範な系に対しても、レギュラーな振り分けが待ち時間を最小化するという意味で最適となることを示している。しかし、この場合、各窓ロへの到着流は一般的には再生過程とはならず、待ち時間分布の特性量を評価することは難しい。ここでは、第3章において、待ち時間分布の上限・下限を与えるために、再生過程入力をもつ上限モデル、下限モデルを導入する。第4章では、その応用として、簡単なネットワーク・モデルを考え、QNAの手法に上限モデル、下限モデルを組込んでネットワークを評価する方法を提案する。さらに、レギュラーな振り分けを行うと、確率的な振り分けを行った場合に比ベネットワーク内の待ち行列の総計をかなり減少させ得ることを数値例によって示す。ネットワークの経路制御においては、各ノードの混雑状況を随時観測しながら、より良いルートを選択させることも考えられているが、その情報伝達のためのオーバーヘッドも無視できないし、制御方式が複雑となり選択ルートを計算することも困難となる。これに対し、上記のような単純な制御でどの程度混雑が緩和できるかを検討しておくことも意義がある。ネットワーク経路制御において、各分流点での振り分け比率をどのように定めるべきか等の問題が未だ残されている。
- 社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会の論文
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