ファジィ目的関数によるファジィ線形計画問題の定式化

概要

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本論文では、ファジィ係数を持つファジィ線形計画問題を拡張原理を用いて定式化している。この定式化において、拡張原理によるファジィ・マックスからファジィ集合間の順序関係を定義し、制約条件式と目的関数の係数のあいまいさをファジィ線形関数によって表現している。このファジィ線形計画問題において、パラメータの可能性を考慮したノンファジィな最適解を求める問題とパラメータの可能性を反映した解の可能性分布すなわちファジィ解を求める問題とが定式化されている。ここでは、目的関数のあいまいさを最小にすることと、その可能性分布をできるだけ値の大きい方に位置づけるという二つの目的が考えられている。拡張原理によって定式化されたファジィ線形計画問題は、通常の線形計画問題に帰着できる。本論文では、簡単化のために係数のファジィ集合のメンバーシップ関数を三角形に限定している。通常のLP問題では、係数は、その可能性の最も高い所で設定されていると考えられる。一方ノンファジィ解を求める問題では、係数の可能性分布全体が考慮に入れられているので、その解は不確実さに対してロバストネスをもっている。またファジィ解を求める問題は、解の可能性を求める問題であるので、解の範囲を決定することができる。そのため上位階層の決定問題のモデル化としてファジィ解の問題を考えることができる。これらの定式化は、人間の評価が影響する現実社会における決定問題のモデルとして有用であろう。
社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会の論文

ファジィ目的関数によるファジィ線形計画問題の定式化

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