階層化意思決定法におけるスケール選択の影響に関する考察
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概要
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階層化意思決定法(AHP)は, Thomas L. Saatyによって考案された意思決定法の一つで, 一対比較を通して選択肢に対する人間の主観的な価値判断を, それぞれの選択肢に対する重要度として定量化する点に特徴がある. 一対比較に用いるスケールは, 重要度や整合度(C.I.)と密接な関係があり, 人間の感覚を如何にうまく捉えることができるかという観点から, これまでにさまざまなスケールが提案されているが, その有効性に関して理論的な評価を下すのは極めて困難である. そこで本論文では, 一対比較に用いるスケールとして線型スケールと指数スケールを取り上げ, ランダムに構成したサンプルと, 意思決定主体のバイアスがかかったサンプルの, 2種類のサンプルを用いて, C.I.の値, 重要度の序列変動について両スケールを比較した. また, 最も重要性が高い項目を他の項目から判別することもAHPの重要な目的の一つであることから, この判別性能に関する比較も併せて行なった. その結果, 一対比較に用いるスケールとしては指数スケールの方が優れていることが検証された.
- 社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会の論文
著者
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