重度自閉症の思春期(<特集>自閉症・知的障害等の「強度行動障害」)
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概要
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思春期は、自閉症児においてはより困難が大きい。重度自閉症は、知的障害の重度さ、自閉症特性の症状の重篤さ、その他関連障害の顕著さなどの重なりであるが、年齢や状況によって変化する。その行動障害は、1.自閉症の基本的徴候、2.早期行動症候群の合併、3.思春期発症の精神障害,4.生育史の4つの視点で分析できる。問題が重層化し一定度持続している場合を強度行動障害と呼ぶ。飯田雅子らの調査(1987-88)は強度行動障害の実態を明らかにし、その後、強度行動障害特別処遇事業が行われるようになった。筆者らの強度行動障害事例研究会で16事例を検討した結果、事業終了時は全例で行動改善が見られたにもかかわらず、その後33%超が悪化した。これは継続的なケアや療育が必要であることを示す。難治群では、強迫性障害、トゥーレット障害、気分変動など精神科的問題が増加しており、医学的知見を述べる。
- 全国障害者問題研究会の論文
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