膵消化酵素及び胆汁のコレシストキニン分泌調節作用の解析
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概要
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膵酵素分泌並びに胆嚢収縮作用を有する消化管ホル吾シであるコレシストキニン(CCK)分泌に及ぼす腸管内の膵消化酵素及び胆汁の影響を明らかにするために,CCKのbioassay法を確立し,慢性膵炎及び閉塞性黄痘症例において血衆CCKを測定した。ラット遊離膵腺房をcycloheximideで処理することにより,高感度なCCK bioassay法を確立した。本法用いて,慢性膵炎症例及び閉塞性黄痘のために胆汁ドレナージ施行下の症例において,牛乳400mlとゆで卵2個からなる試験食負荷に対する血漿CCK分泌皮応を測定した。比較的膵外分泌機能の保たれている慢性膵炎症例では,健常者に比べCCK基礎値及び集荷後の反応が有意に高値であった。これに対し膵外分泌機能の荒廃が進行した慢性膵炎症例ではCCK基礎値は健常者と有意差はなかったが,負荷後の反応は有意に低値であった。すなわち,慢性膵炎では膵外分泌障害の進展によりCCK分泌が低下した。閉塞性黄疸のため胆汁外痩下の症例では. CCKの基礎値及び食事負荷後の反応は健常者に比べて有意に高値であったが、内痩により胆汁を十二指腸内へ流入させると基礎並びに試験食負荷後のCCK分泌反応は健常者と同じレベルまで低下した。すなわち,十二指腸内から胆汁を除去することによりCCK分泌は亢進した。以上の結果より,十二指腸への膵消化酵素及び胆汁分泌がCCK分泌を調節していることが明らかとなった。
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