Prostaglandin E_1 誘導体の固形食胃排出能、胆嚢収縮能に及ぼす作用の解析
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概要
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抗潰瘍剤として合成されたProstaglandin E_1誘導体(ornoprostil)の固形食胃排出能,胆嚢収縮能に及ぼす影響を,迷走神経活動のmarkerであるpancreatic polypeptide (PP)分泌,及び胃排出抑制作用をもっgastrin分泌反応から検討した。対象は8名の健常成人男子である。固形食胃排出能は,RI法で120分間測定し,腹部前面の撮像で固形食の排出動態が把援できるように, 8trarting lndex (SI):胃排出開始時間,K値:初期の胃排出速度, T1/2:50%胃排出時間, 120min RR: 120分後胃内残存率をparameterに設定した。胆嚢収縮能は,超音波断層装置でその容積を算出できる積分法を開発し.GBmax%:胆嚢最大収縮率, GBmaxtime:最大収縮を示す時間をparameterに分析した。血清PP及びgastrin濃度はRIAにて測定し,胃相を含めた脳相のPP分泌量をIPPR_<SI>:SIまでのintegrated PP responseで求めて,迷走神経活動のmarkerとした。ornoprostil5μgを経口投与すると,固形食の胃排出能は有意に抑制され(T1/2. 120min RR; P<0.05) .胆嚢は胃排出抑制に伴う二次的な収縮遅延を示した。また,PPの基礎値や1PPRs1は影響をうけず.gastrinも基礎値と胃排出前半の反応に増加傾向を示したが,有意差は認められなかった。以上の結果からornoprostilは抗コリン作用やgastrinの分泌反応を介さない胃排出抑制作用を有し,胆嚢収縮自体には影響を及ぼさないことが明らかにされた。
- 神戸大学の論文
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