鮭頭エキストラクトのサイクロデキストリンによる魚臭抑制効果
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概要
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昭和61年3月31日から7月24日にかけて魚臭抑制効果に関する実験およびSPの日常食への利用実習を行った。本実験のSP+CD浸出液の魚臭抑制効果がpH及びタンパク質含有量間では負の相関をもって認められ、下記の如き結果を得た。1. CDが10%、12%のものは実験期間中を通してpHは酸性(3.44〜6.62)に留まり、魚臭は感じられずCDの包接複合体による魚臭のマスキング効果が認められた。2. SP浸出液のCDによるpHの変化とたんぱく質含有量の相関はpHが高いほどたんぱく質含有量が少なく、pHが低いものは、たんぱく質含有量が多く、負の相関が示された。3. SP+CD浸出液のブドウ糖定量実験の結果、浸出液中から殆んどブドウ糖は検出されず、このことはCDのブドウ糖環状結合は本条件下において強力なことが推測された。4. 以上の結果からSPの魚臭抑制作用はCDの包接複合体によるマスキング効果によるものと推測された。5. SPの日常食への利用としては、クッキーではSPは小麦粉の5%、CDはSPの8%〜10%添加したものが官能テストの結果有意な差をもって優位性が認められた。
- 日本調理科学会の論文
- 1987-07-20