各種製茶の煎出条件とカフェイン・タンニン溶出量及び味との関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
玉露、煎茶、水出し煎茶、ほうじ茶、番茶、烏龍茶について浸出時間と煎出回数を変化させてそれらの浸出液中のカフェイン及びタンニン溶出量を測定し、これらの茶湯中濃度の違いと官能検査結果との関連性を検討し以下の結果を得た。1.玉露は0.5、1、2、3分浸出のものについてはカフェイン、タンニン濃度は共に2煎に高くなるが、浸出時間が4分以上になると2煎よりもむしろ1煎に高くなったのに対し、官能検査での苦味や渋味の感じられ方は1〜3煎までほとんど変わりなく普通と評価された。全体の味や好みは1煎が最も強く、好まれ、煎を重ねるに従い弱く好まれないと考えられる。2.煎茶では0.5、1分浸出のものは2煎にカフェインが、0.5、1.2分浸出のものは2煎にタンニンの濃度が高く、2、3、4分、又3、4分の浸出のものはそれぞれ1煎に高い。官能検査の苦み、渋みは1、2煎共に同程度の強さで感じられ、3煎に弱く感じられた。官能検査の全体の味の強さは煎を重ねるに従い薄くなったが好みでは1、2煎が評価同程度で3煎ではやや好まないとされた。3.ほうじ茶、番茶では番茶のタンニン濃度の0.5、1分浸出以外はカフェインやタンニン濃度は1煎に高くなり、官能検査の苦みや渋みも1煎が強く感じられ、煎を重ねるに従い弱く感じられた。好みでは煎茶と同傾向であった。4.ウーロン茶のカフェイン及びタンニンの濃度はほうじ茶や番茶と同結果であったが、官能検査では全体の味が強く感じられる1煎は好まれず、2煎が最も好まれたと考えられる。5.ほうじ茶、番茶などの下級茶の方がカフェイン及びタンニン濃度と苦み、渋み、旨味、好みとの間に正の相関関係があり、上質茶よりもカフェインやタンニン濃度によって味が左右されやすいと考えられる。一方、烏龍茶ではカフェイン、タンニン濃度と好みの間に負の相関があり、これらの濃度が高い場合は好まれない傾向にあった。
- 1994-02-20
著者
関連論文
- 京都府三地域の豆といもの利用状況について
- 50歳以上の男性の食生活意識とその実態 : 男性による自己評価と女性からの客観的評価
- 過熱水蒸気オーブンを用いた調理に関する基礎的研究 : ハンバーグステーキ焼成時の温度履歴と製品について
- ハンバーグステーキ焼成時の内部温度 : 腸管出血性大腸菌O157に関連して(第5報) : フライパン使用時の場合
- カスタードプディングのオーブン加熱における内部温度の挙動ならびに湯量が温度上昇速度と製品に及ぼす影響
- ハンバーグステーキ焼成時の内部温度 : 腸管出血性大腸菌O157に関連して(第4報) : 一般家庭におけるハンバーグステーキの焼成方法に関する実態調査
- フライパン使用時におけるハンバーグステーキの焼成条件に関する検討 : 腸管出血性大腸菌O157に関連して : 第1回 近畿支部, 東海・北陸支部合同研究発表会
- ハンバーグステーキ焼成時の内部温度 : 腸管出血性大腸菌O157に関連して : 第2報 : 材料および混合方法の違いが内部温度に及ぼす影響
- ハンバーグステーキ焼成時の内部温度 : 腸管出血性大腸菌O157に関連して : 第1報 : 焼成条件の違いが内部温度に及ぼす影響
- ハンバーグステーキ焼成時の内部温度 : 腸管出血性大腸菌O157に関連して : 第3報 : 牛肉ハンバーグの肉汁の状態から見た焼き終わりの判定
- 関西のうす味・うす色食文化の形成とうすくち醤油の利用に関する研究(第1報) : 江戸期の料理本に見るしょうゆの出現数と地域性
- うすくち醤油の利用と関西のうす味・うす色文化の形成に関する研究(第3報)江戸期の料理本に見るしょうゆの使われ方の地域性 : 近畿支部 第28回研究発表会講演要旨
- うすくち醤油の利用と関西のうす味・うす色文化の形成に関する研究(第1報)江戸期の料理本に見るしょうゆの表記と出現頻度 : 第1回 近畿支部, 東海・北陸支部合同研究発表会
- 各種製茶の煎出条件とカフェイン・タンニン溶出量及び味との関係
- ブラマンジェの性状および食味特性に及ぼす牛乳の影響 : 支部だより
- 「おいしさ」に関する一考察(汁の温度)
- 「おいしさ」に関する一考察(汁の旨味)
- 卵の撹拌時間・速度の違いがスポンジケ-キの物性および食味におよぼす影響
- ミネラルウォ-タ-で抽出したコ-ヒ-,紅茶,緑茶の成分及び嗜好性
- 圧力鍋と電子レンジによる煮物の研究-1-
- 便秘と食物摂取状況及び食生活に対する意識との関連性
- 過熱水蒸気オーブンを用いた時のハンバーグステーキ焼成温度の違いがジューシーさやおいしさに及ぼす影響
- 女子大学生の日常食における魚類と肉類の利用状況および利用におよぼす要因
- 女子大学生の日常食における魚類と肉類の利用状況および利用におよぼす要因