キウイフルーツの牛肉軟化効果について
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概要
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KFプロテアーゼによる肉の軟化効果を検討するために, 牛スネ肉を用い, 官能検査, 組織検査, 遊離アミノ態窒素定量などを行ない, 以下の知見を得た。1) すりおろしたKF, またはこれを加熱失活したものに試料肉を37℃, 1時間まぶしたものと, 肉のみを同時間, 同温度においた対照を, 沸騰水中で0.5-2時間加熱して, 2点比較法とScheffeの1対比較法で硬さを比較した。その結果対象肉の方が, KF処理より有意に硬かったが, KF処理肉と失活KF処理肉, 失活KF処理肉と対照肉の硬さの間には有意差はなく, プロテアーゼ以外に耐熱性軟化因子の存在が推定された。またこの際のスープストック中のアミノ態窒素量とエキス分は, 対照肉の場合に比してKF処理肉の方が有意に高かった。またこれらの肉の組織検査でも, マロリーアザン染色でKF処理肉は異染色部分が認められ, 対照肉より加熱の影響が強く認められた。2) KF処理条件を検討した結果, 37℃, 1時間と7℃, 15時間では同程度のアミノ態窒素量を遊離した。またこの条件では1辺2.7cm角程度の大きさの肉片の中心部までは酵素作用は及ばなかったが, 薄く切った肉片では消化はよく進行した。また冷凍肉の方が生肉より消化されやすかった。3) 牛肉から筋原繊維と肉基質を分離し, すりおろしKFの遠沈上清を作用させ, 肉ホモジュネートに作用させた場合と比較したが, アミノ態窒素生成率は肉基質が低く, 他の二者は大差なかった。4) KF処理10-60分の肉と未処理肉の洗滌濃縮液を電気泳動した結果, 処理10分でたん白質の低分子化の傾向を認めた。
- 日本調理科学会の論文
- 1985-07-20
著者
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