献立内容に関する研究 : 第2報 : 日常の献立内容について
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概要
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前報で明らかにした主菜・副菜の内容と, 献立作成への手順を参考に学生の日常の食生活を分析し, より良い指導へ向かうために問題点を見つけようとしたものである。結果は次の通りである。1. 朝食では, 主食+副菜+汁のパターンが多く, 主菜の抜けた献立が多かった。2. 夕食は, 主食+主菜+1菜以上のパターンが約50%であったが, 主菜に欠ける献立が30%前後みられた。3. 夕食献立の主菜に使用される材料数は, 主菜2.9〜3.1種, 副菜2.0〜2.2種であり, 前報での手引書にみられる献立内容より, 1.6〜2種ほど材料の使われ方が少なかった。4. 主菜の蛋白質性材料と調理方法の組合せ方は, 前報の手引書の献立における傾向とよく似ていた。しかし, 材料毎に出現する料理が決まっているような例も多く, 調理方法群間の組み合せで広がりを示しても, 食事内容をみると料理の広がりに必ずしも結びついてはいないようである。これは, 献立を構成する料理を考える場合, 日常の食事作りでは, 作り方を周知している料理を主にして, 献立を整え, 材料を選択するという傾向がみられ, 材料からいくつかの料理に広げて考えていくという発想法がとられていないためであろう。5. 実際の家庭の献立においても主菜と副菜は, 材料の選択・組み合わせ方を意識的に区別して考えており, 献立の大枠についての考え方は手引書と同じ傾向であった。6. 実際の家庭の献立においても手引書と同様, 主菜と副菜の調理方法の組合せに変化を持たせている。以上より, 実際の家庭の献立の多くは手引書と同じように献立パターンの大枠の中で考えられているが, 使用される材料数が少なめであり, レパートリーが少ない等, 料理が固定化される傾向にあるので, 全体的に広がりを持たせる努力が必要と思われる。また, 蛋白質性食品を2種以上合わせる事でどうにか主菜扱いの料理になっている場合もあり, 献立の中での主菜の位置づけに今ひとつの工夫が欲しいところである。一方, 献立パターンを意識しない食事内容の家庭が少なからずある事も一つの問題点として考える必要があろう。
- 日本調理科学会の論文
- 1984-12-20
著者
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