ゆで過程におけるスパゲティの芯の状態変化とアルデンテの評価
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
デュラム小麦のセモリナ粉100%使用,標準ゆで時間11分のスパゲティを用いて,ゆで時間を5〜20分まで変えて試料を調製し,アルデンテについての官能評価,水分音量・ゆで歩留測定,拡大写真撮影,糊化度測定,破断試験を行い,以下の結果を得た。1)官能検査の結果,9,10,11分ゆでが「アルデンテである」と評価され,10,11分ゆでが「少し芯がある」,「好ましい」と評価されたので,好ましいアルデンテは10,11分ゆでであった。2)日本人のアルデンテの10,11分ゆでは,ゆで歩留2.3〜2.4,水分含量63〜64%に相当し,これらは中心の白い芯がなくなった状態で,糊化度は90%以上であった。イタリア人のアルデンテはゆで歩留2.1〜2.2とすると,ゆで時間8〜9分,水分含量約60%に相当し,中心にまだら状に白い芯が残り,糊化度は約80%であった。3)破断曲線を微分すると,ゆで時間の違いによってダブルピーク,肩,シングルピークの3つに分類された。日本人が好む10,11分ゆではシングルピークの形で,イタリア人が好む8,9分ゆでは肩がある形であった。破断曲線の微分はスパゲティの芯のゆで状態の指標になった。4)20分放置により,拡大写真撮影では中心部への水分移動が見られたが,糊化度はゆで直後と差が認められなかった。また破断曲線の肩はシングルピークになり,破断特性値は全体的に低下した。
- 2004-05-20
著者
関連論文
- 日本の食料消費傾向と二酸化炭素排出量との関係
- 調理用熱源について ガスこんろとIHヒーターの比較(教材研究)
- 食品廃棄物の凍結・解凍・脱水処理
- 食品廃棄物の凍結・解凍・脱水処理のための凍結脱水機の試作
- 凍結・解凍効果を利用した食品廃棄物の脱水処理
- 12. 細胞および食品の凍結傷害に対するインピーダンス解析(平成14年度第48回低温生物工学会研究報告)
- 破断試験によるゆで麺のテクスチャーの特徴と官能評価との関係
- プロジェクト共同研究「うどん」 調理条件による冷凍うどんのテクスチャー変化に関する研究
- 技術論文 3種類の電子レンジの温度むらの測定と加熱パターンの画像解析
- 小学生における野菜の好き嫌いと家庭料理への野菜の使用状況について
- ゆで過程におけるスパゲティの芯の状態変化とアルデンテの評価
- 電子レンジ加熱における試料の温度及び吸収エネルギーに及ぼす塩化ナトリウム添加の影響
- 環境に配慮した食器の洗い方について : 汚れ拭き取り用具の比較と洗剤使用方法の検討
- 台所排水に対する教育学部学生の関心および汚濁排出量削減のための行動について
- 台所排水に対する関心及び汚濁排出量削減のための行動についての調査
- 高等学校家庭科における電子レンジ料理の指導について : 生徒・教師の実態調査および教科書等の記述内容からの検討
- 混合味における塩味及び甘味の知覚について : めんつゆモデルの場合
- 教育学部学生の食生活状況および食意識について 第2報 : 食意識について
- 教育学部学生の食生活状況および食意識について 第1報 : 食生活状況について
- 中学生における混合味の識別能について(第2報) : 混合味の濃度差の識別
- 大学生の加工食品摂取状況について
- 中学生における混合味の識別能について : 甘味料添加の有無の識別
- 膨化のメカニズム
- 物性・コロイド : V. 調理科学領域別現状と展望
- キュウリ呈味成分の分布と貯蔵変化および味との関係
- 肉類の加熱における余熱の有効利用
- 東日本における凍み大根について(クッキングルーム)
- 小麦粉製品における膨化の機構 : 膨化形態に及ぼす生地中の空気含量の影響
- 肉類のオーブン加熱終了後の内部温度変化に及ぼす放置条件の影響