女子短期大学新入生の化学への意識と学力について : とくに食物栄養科学生の場合
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概要
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1. 本学食物栄養科の新入生を対象にして高校での理科科目の履修状況に関する調査を行った。『理科I』は必修であり, 他の理科科目は選択であるが, 『生物』を履修している学生が73.7%と最も多く, 『化学』を履修している学生は64.6%で多く, 『地学』, 『物理』はそれぞれ5%, 3%と非常に少なかった。また, 『化学』と『生物』を履修している学生は41.4%, 『化学』も『生物』も履修していない学生が4%であった。結局, 『化学』を履修していない学生が35.4%で, つまり約3分の1いることになる。2. また, 高校での化学(理科Iの化学の分野を含む)に対する意識の調査では, 化学が好きだったが12.1%であり, 嫌いだったが44.4%で約半数で, どちらとも言えないが40.4%であった。化学が好きだった理由と嫌いだった理由を列記した。3. また, 理科の分野で一番好きだった科目(理科Iの当該分野を含む)の調査では, 生物が53.5%と最も多く, 一番嫌いだった科目は物理が55.6%と最も多く, 化学が嫌いだったが25.3%もおり, 生物が一番嫌いだったはわずかに7.1%であった。4. 食物栄養科の新入生に化学テスト(A)を行った。一般入試の理科I化学の分野受験学生の平均点は生物の分野受験学生や推薦入試学生よりきわだって高く, また, 高校で『化学』を履修している学生の平均点は履修していない学生よりかなり高かった。半年後に同じテストを行ったところ若干の成績の向上がみられた。5. 他学科の新入生(一般教育化学受講学生)について同じ調査と化学テスト(A)を行った。食物栄養科学生と同様な傾向であったが, 高校での『化学』履修学生が45.7%と少なく, 化学が一番好きだったが10.9%とやや少なく, 生物が好きだったが67.4%とやや多く, 物理が一番嫌いだったが43.5%とやや少なかった。化学テスト(A)の成績は食物栄養科学生よりかなり低かった。6. 1982年度に作成し実施していた化学テスト(B)では, 旧高校学習指導要領理科科目履修学生よりも1985年度から改訂された現高校教育理科科目課程履修学生のほうが成績はやや低くなり, 改訂により新入生の化学の学力は幾分低下したものと考えられる。
- 福岡国際大学・福岡女子短期大学の論文
- 1992-12-30
福岡国際大学・福岡女子短期大学 | 論文
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