核酸関連物質の乳酸菌の発育に及ぼす影響

概要

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種々の核酸関連物質添加 (5∿500μg/ml) の, 加糖脱脂乳培地における乳酸菌の発育におよぼす影響を, Lactobacillus casei (YIT-9018), Lactobacillus acidophilus, Lactobacillus burgaricusを用いて検討し, 次の結果を得た。1. a) ピリミジン塩基, およびそのヌクレオシドは3菌株の発育にほとんど影響を与えなかった。b) ピリミジン塩基のヌクレオチドのうち, 5'-シチジール酸は3菌株の発育を阻害した。5'-チミジール酸はLact. caseiのみ阻害した。2. プリン塩基, そのヌクレオシド, ヌクレオチドは3菌株に対し, 発育を促進するもの, 発育を阻害するもの, 影響を与えないものがあった。また, 3菌株の反応は一様ではなかった。すなわち, a) Lact. caseiに対しては, アデノシン, 5'-イノシン酸, 5'-グアニール酸は発育促進し, キサンチン, グアニン, アデニン, グアノシン, 5'-アデニール酸は発育阻害し, ヒポキサンチン, イノシンはほとんど影響を与えなかった。b) Lact. acidophilusに対しては, アデニンが発育阻害作用を示したほかは, すべて発育促進効果を示した。c) Lact. burgaricusに対しては, アデニン以外はすべて発育促進効果を示した。アデニンはほとんど影響を与えなかった。
1983-12-30