無機塩類の乳酸菌の発育に及ぼす影響

概要

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種々の無機塩類添加の加糖脱脂乳培地における乳酸菌の発育に及ぼす影響を, Lactobacillus casei(YIT-9018,代田株), Lactobacillus acidophilusを用いて検討し, 次の結果を得た。1.Mnは0.01mMでも著しい発育促進効果を示し, Feは1mM以上でかなりの発育促進効果を示した。2.Mnの0.01mMの存在では, Feの添加の影響は認められないが, 0.001mMの存在下ではFeの添加の効果が認められた。3.Sn, Znは1mMで若干の発育促進効果を示し, 10mMでは発育阻害作用を示した。4.発育阻害作用を示す無機塩類のその大きさの順は次のようである。Lact. caseiに対しては, Cu, Co<Ni, F, Pb<B(BO_3^<3->), Al, P(PO_4^<3->)であり, Lact. acidophilusに対しては, Cu, Co<Ni, F<P(PO_4^<3->), Al, B(BO_3^<3->)であり, 両者ともほぼ同じであった。5.他の無機塩類, Cr, Ca, Mg, Na, K, I, Mo(MoO_4^<2->), Si(SiO_3^<2->), S(SO_4^<2->)は乳酸菌の発育に, 全く, あるいは僅かしか影響を与えないものと思われる。
1981-12-30