農薬の影響を受けた繭糸の性状について
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概要
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近年, 水田に囲まれた桑園が水田用農薬に汚染されカイコの生育に影響を及ぼし繭の品質が低下するという現象がおきている。この農薬の影響をうけた繭糸についてその形状の顕微鏡観察, 染色性, 強伸度の測定を行い, 汚染されない繭糸と比較検討して, 次の結果を得た。1)繭層断面より見た繭糸の断面は, 農薬に汚染されない繭糸と変わらないが, これを精練すれば多数の微細繊維, こぶ状繊維などの異常繊維が見られた。2)農薬汚染繊維は, オレンジIIとローダミンBに対する染着速度はいずれも低温においてやや速い傾向がみられた。また, オレンジIIの平衡染着量は対照繊維とほぼ同じでその吸着はほとんど同一のLangmuir型の吸着を示した。しかしローダミンBの平衡染着量は少なく, その吸着はLangmuir型の吸着を示さなかった。3)こぶ状異常部分および微細繊維が存在する農薬汚染繭糸の強度および伸度は対照繭糸より低い傾向が見られた。
- 福岡国際大学・福岡女子短期大学の論文
- 1980-06-30
福岡国際大学・福岡女子短期大学 | 論文
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