一般演題 29 Jurkat細胞を用いた放射線応答性タンパク質の網羅的解析
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概要
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放射線によるアポトーシス感受性は,細胞により異なると知らされている. 例えば,3SBやJurkatなど血液リンパ球系の細胞は,HeLaS3及びMCF-7などの上皮系のがん細胞と比較して紫外線照射後すみやかにアポトーシス(rapid apoptosis)が引き起こされ,Jukat細胞に20 J/mの紫外線を照射すると,照射後3時間,6時間,12時間で約25%,55%,65%の死細胞が出現した. これに対し,HeLa S3やMCF-7細胞では照射後12時間以上培養しなければこのようなアポトーシス特有の核変化はみられなかった. 紫外線などの放射線照射によるDNA損傷をトリガーとするアポトーシスは,主としてミトコンドリアを介したアポトーシスシグナル伝達経路が重要な役割を果たしている. アポトーシスの促進や抑制に関与する種々のシグナル伝達因子は主にcytosol中に存在しており,それらが細胞種間でみられるアポトーシス感受性差の原因となっている可能性がある. 本研究では,Jurkat細胞のアポトーシス制御因子を同定するため,二次元電気泳動法と質量分析法を用いて紫外線応答性タンパク質の網羅的なスクリーニングを行った.