一般演題 13 長崎原爆被爆者における骨髄異形成症候群の被曝距離別発生状況の検討
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概要
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1982年のFAB分類で初めて疾患概念として定義された骨髄異形成症候群(MDS:myelodysplastic syndrome)は,現在では白血病の縁類疾患としてよく知られている. 原爆被爆と白血病の発生リスクについては,これまでに多くの研究科解析がなされ,被曝線量が高いほど白血病の発生が高くなると報告されている. しかし,骨髄異形成症候群は,これまでの被爆者白血病の疫学研究において独立した解析対象疾患とはなっておらず,被爆者全体での発生状況の実態は未だ明らかになっていない. 被曝線量と骨髄異形成症候群の発生に関しては,1950-1990年までに放射線影響研究所の寿命調査集団(LSS cohort)内で発生した13症例の解析によって初めて明らかとなったほか,被爆者検診で発見された骨髄異形成症候群の12症例など,いくつかの報告があるが,いずれも対象者が数例という小規模な報告に留まっている. 原爆被爆者における骨髄異形成症候群の詳細な発生状況の把握と被曝状況との関連を検討するためには,大規模な集団による疫学的解析が必要である. そこで,今回われわれは,原爆被爆者における骨髄異形成症候群の発生リスクと被曝状況との関連を大規模症例で検討するためのpreliminaryな解析として,長崎原爆被爆者における最近10年間(1990-1999年)の骨髄異形成症候群の発生状況調査を行った.
- 長崎大学の論文
著者
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木場 隆司
長崎原子爆弾被爆者対策協議会
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吉田 善春
聖フランシスコ病院内科
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岩永 正子
活水女子大学健康生活学部
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吉田 善春
聖フランシスコ病院
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跡上 直
長崎市立成人病センター
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岩永 正子
長崎大学原研内科
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山村 正臣
長崎市立市民病院
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城 達郎
長崎原爆病院
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城 達郎[他]
長崎原爆病院
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