ツマグロヨコバイ成虫の活動と温度および風力との関係
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概要
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1. ツマグロヨコバイ成虫の活動と温度および風力との関係を知ろうとして,1958∼1960年と1969年に自然光の室内で2, 3の実験を行なった。2. 活動の温度反応は,虫体を冷却して活動停止(仰転し不動)の状態にしてから温度を上昇して観察する方法をとった。低温域での最初の微動∼継続的跳躍開始の温度は,冷却開始直前の供試虫の収容温度を高温にすると高く,低温にすると低く,前後の温度の変化とその緩急に影響された。最も低い反応温度は,2.5∼3°Cに保って置き,冷却開始約30分後に活動が停止するよう徐々に冷却した場合で,最初の微動温度は0.5°Cで,知り得た範囲での最低の例に著しく近かった。性別には明らかな差が認められなかった。3. 雌成虫が風上側へ初めて跳躍できた風力は,9∼30°Cの場合,平均値で1.4∼3.6m/秒であった。風に当たってから10秒後までに風下側へ半数が移動した風力は,9∼19°Cの場合,大略1∼1.8m/秒であった。風に対する反応は温度に基づく虫の行動の活発さと関係が深かった。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1969-06-25