ダイズ株上でのジャガイモヒゲナガアブラムシ個体群の増殖
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概要
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ダイズ株上でジャガイモヒゲナガアブラムシ個体群の増殖と移動を観察した。個体飼育で得られた有翅,無翅胎生雌成虫の間には産仔数や生存率に大きな差はみられなかった。無翅型アブラムシの飼育で得られた生存曲線と産卵曲線から推定した内的自然増殖率は0.21であった。無翅型4齢幼虫を葉位をちがえて接種しその後の増殖と移動分散を調べた実験では,このアブラムシはいずれの葉位に接種しても,先ずその葉で増殖を始め,次にその上位葉に移動する。移動は,葉が加害によって黄化する直前に起こり,全発育ステージで一斉に起こる。移動が起こるまでの増殖は指数的で,瞬間増加率は,個体飼育で得た内的自然増加率の値とほぼ等しい。このことから,こみ合いの効果は受けていないと思われた。葉位による増殖の適,不適はみられなかった。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1980-05-25