2種の寄生蜂Diaeretiella rapae(M'INTOSH)とAphidius gifuensis ASHMEADのモモアカアブラムシに対する選好性の差異 : アプラバチの生態学的研究 1
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概要
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十字花科植物上の共通の寄主,モモアカアブラムシに対する2種の寄生蜂Diaeretiella rapae (=Dr)とAphidius gifuensis (=Ag)の選好性の差異を実験的に調べた。1. Agは寄主発見回数の比率,発見寄主に対する産卵率のいずれもDrより優り,その累積である産卵効率ではDrの5倍に達した。2. 1∼2令(=S), 3令(=M), 4令(=L)の寄主幼虫を同数供試した場合,産卵効率はDrではL<M≤S, AgではL≤S<Mの順に高くなった。3. Agは体長,触角の節数と体長に対する相対長,行動の敏しょう性においてDrより優り,寄主探索活動がより広い範囲にわたる。4. モモアカアブラムシは両寄生蜂の攻撃に対し,け飛ばし,前進逃避,甘露の排出などによって反応し,その率はS<M<Lの順に,また,AgよりDrに対して高くなった。5. DrとAgのモモアカアブラムシに対する産卵効率および寄主令期選好性の差異と寄生蜂の形態,行動の差異との関連について考察した。
- 1975-12-25