ツマグロヨコバイにおけるナフチルアセテートエステラーゼ, とくに有機りん剤に抵抗性の個体群における異常な高活性について
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概要
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基質にβ-naphthyl acetateを用いてツマグロヨコバイのエステラーゼ活性を測定する方法を検討し, このエステラーゼ活性が有機りん剤に抵抗性の個体群と感受性の個体群とで異なるかどうかを調べた。基質にβ-naphthyl acetateを用いた場合, エステラーゼ活性の測定感度は極めて高く, 成虫の1個体を5mlから20mlのりん酸緩衝液で磨砕した酵素液で測定することができ, また反応時間は5分から20分の間で十分であった。なお最適pHは6.8から7.0の範囲であった。幼虫のエステラーゼ活性は生育するにつれて増大した。成虫のエステラーゼ活性は幼虫より高く, 雌は雄より高かった。マラソンに抵抗性の個体群では, 感受性の個体群に比べてエステラーゼ活性は有意に高かった。各地から採集した個体群の間にはエステラーゼ活性に顕著な違いがみられたが, エステラーゼ活性とマラソンに対するLD-50との間には高い相関関係があった。しかし, メチルパラチオンに対するLD-50との間には同様な関係はみられなかった。ツマグロヨコバイにおけるナフチルアセテートエステラーゼ活性の増大はマラソンに対する抵抗性の発達に関係するものと考える。ナフチルアセテートエステラーゼに対するマラオクソンとパラオクソンのID-50はマラソンに抵抗性の個体群と感受性の個体群との間で差がなかった。ナフチルアセテートエステラーゼ活性はコリンエステラーゼとB-エステラーゼからなっていた。合計エステラーゼ活性に対する各エステラーゼ活性の割合は抵抗性個体群と感受性個体群の間で差がなかった。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1965-03-25
著者
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