ツメクサタコゾウムシの生態に関する研究 : 第1報 成虫の摂食活動に及ぼす温度の影響
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概要
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休眠前のツメクサタコゾウムシの摂食活動が温度によっていかに影響されるかについて実験を行なった。羽化直後の成虫を用い,休眠に入るまでの期間観察を続けた。温度は摂氏10°,15°,20°,25°,28°の5階級に分かち,毎日1回食餌植物を更新して,その摂食量を測定した結果から知りえた点は次のとおりである。1. 羽化から休眠までの摂食総量は,温度に関係なくおおむね一定である。2. 摂食期間は温度が高まるに伴って短縮する。したがって1日当たりの平均摂食量は温度が高いほど多い。3. 摂食活動の様相は,温度が高い場合は羽化後まもない期間にきわめて活発で,その後急に衰えるが,温度が低くなるにつれてその傾向は緩慢となる。4. 実験中の死虫は28°C区で50%に及び,25°C区,10°C区にも多少認められた。5. 以上のことから10°∼28°Cの温度は,本種の成虫活動適温範囲であり,10°Cは低温限界に,28°Cは高温限界に近く,摂食最適温度は15°Cから20°Cの間にあると推定される。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1961-12-30
著者
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